筆がカチカチに固まって使えなくなったよ
久しぶりに書道をしようと筆を取ると前回使ったままの墨がカチカチに固まっていた、きちんと洗ったつもりでも使い続けているとだんだん毛の根元に墨が固まってきた、ということはないでしょうか。
このように墨が固まってしまうと毛の根元まで墨が入らず太い線が書けなくなったり、筆先が割れてまとまりが悪くなり上手く書けなくなってしまいます。
書道や習字を習っている方なら誰もが経験するお悩みのひとつではないでしょうか?
元に戻す方法はないのかな
今回は筆をよみがえらせる方法をご紹介しましょう
この記事は大人になってから書道を始め、現在漢字師範を取得したブログ管理人ひかが解説していきます。
・筆の毛先がカチカチに固まって諦めかけている人
・筆をよみがえらせる方法を知りたい人
・固まらないお手入れ方法を知りたい人
・墨でカチカチに固まっても筆は直る
・筆をお湯に浸ける
・お湯と筆シャンを使うとよい
・普段のお手入れを怠らない。固まる前に水洗いする
今回使用した筆シャンはこちらです。
墨でカチカチに固まっても筆は直る
結論、筆は固まってしまっても元に戻すことができます。
軽度なものなら水をぬるま湯に変えるだけで落ちます。
まずは、ぬるま湯で毛先を優しくほぐしてみてください。
ぬるま湯とは30℃~40℃くらいの温度です
意外とぬるま湯に変えるだけで墨がとれることが多くあります。
しかしそれでも直らない次のような筆をお持ちの方は、これより先の方法を試してください。
著者もぬるま湯で試してみましたが、この筆は全くとれず諦めていました。今回筆シャンの存在を知り試してみたくなったのでレビューしていきます。
筆をお湯に浸ける
ぬるま湯でもほぐれない頑固な筆先は、一晩浸けておきます。
頑固になってますからこの時のお湯はぬるま湯ではなく、80℃くらいの熱湯です。
熱湯を扱うときはやけどに充分注意してください
熱湯は筆が痛む原因にもなります。頻繁に行わないでください
それでは実際に、ぬるま湯では取れなかった頑固な筆を
熱湯に浸けて12時間ほど放置後、熱湯を交換しさらに12時間浸けるということをしてみました。
最初は墨が粉々にはがれていき、そのあとはどんどん墨がでてきました。諦めかけていた気持ちが明るく前向きになった瞬間です。
お湯と筆シャンを使うとよい
お湯で柔らかくなったところに、筆シャンを使います。
毛先が少し柔らかくなったところに筆シャンプーを使用してください。
これは毛先がまだ固いまま筆シャンを使ってもなかなか墨が溶けなかったり、泡を大量に使い時間と労力がかかってしまうからです。
毛先を柔らかくしてから使うと相乗効果を発揮します。
墨がどんどん溶けてでてくるので驚きますよ
根元に固まっていた墨をしっかり落としてぬるま湯または水が透明になるまで流したら
筆先を下向きにして吊るし乾燥させます。
普段のお手入れを怠らない。固まる前に水洗いする
筆は使うたびに水洗いして墨をしっかりと落とすことが大切です。
普段のお手入れは、水もしくは30℃くらいのぬるま湯で充分墨を落とすことができます。
熱湯は毛先が痛む原因になりますし普段洗いには適していません。
筆シャンは気になるときに使い、スペシャルなお手入れという認識でいいでしょう。
普段のお手入れ方法
普段のお手入れはとても簡単です。この作業をすることで後々の手間がはぶけます。
①水は筆菅に当たるようにし、根元から筆先へ流します。
②根元の墨をとるイメージで指でほぐすように墨を落とします。
③水に墨が付かなくなったら毛先を整えます。
④筆先を下向きにして吊るします。
⑤そしてそのまま放置ししっかりと乾燥させます。
筆先が墨で固まる原因
墨は空気に触れることで固まってしまいます。
使ったあとそのまま洗わず放置すると筆先に残った墨は固まってしまいます。
筆先が割れる原因でもあり、
カビてしまうこともあります。
ちゃんと洗っていたけれど固まってきたよ
洗っていても繰り返し使っていると根元に墨が固まってきてだんだん書きにくくなってきます。
毛は筆管の奥まであり墨を落としたつもりでいても実は根元にまだ墨が残っているのが原因です。
洗っているのにだんだん書きにくくなってきているのなら定期的にぬるま湯と筆シャンでお手入れしてください。
普段のお手入れしだいで筆の寿命が変わってきます。
1つの筆を5年、10年使うことも可能です。大切に扱いましょう。
すぐに洗えないときは
あとですぐに使うときや洗う場所がないときは、筆先にラップを巻いて空気に触れさせずにおくと固まるのを遅らせることができます。
半日から1日は持ちますが、筆が痛み寿命が短くなる原因になるので早めに流水で墨を落としましょう。
筆が墨でカチカチに固まってしまったときの対処法と普段のお手入れ方法まとめ
この記事では、カチカチに固まった筆を元に戻す方法と、普段のお手入れ方法について説明しました。
お湯と筆シャンを使うことで筆を元に戻すことができました。
筆が柔らかくなって墨が流れていくさまは感動に近いものがありますが、墨を付けたまま放置するのは毛先を傷めることになりますし、直すのに時間も要します。
今回も全行程で2日間かかりました。
できるなら毎回墨が固まる前に流水で墨を落として乾燥させて保管し、
ちゃんとお手入れをして筆の寿命を伸ばし長く愛用することをおすすめします。
お手入れは大変ですが、道具を大切に扱って上達につなげてください
・墨でカチカチに固まっても筆は直る
・筆をお湯に浸ける
・お湯と筆シャンを使うとよい
・普段のお手入れを怠らない。固まる前に水洗いする
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