書道と習字って何がちがうの?
小学生の授業では習字をならいました。その一方で書道という言葉も聞いたことがあると思います。同じように筆を持ち墨で半紙に書くのに何が違うのだろう?と考えたことはありませんか?
この記事では、書道と習字の違いについてと、それぞれのメリットとデメリットについて詳しく解説していきます。
・書道と習字の違いを知りたい人
・これから習い始めるにあたってどちらを選ぶか悩んでいる人
・それぞれのメリットとデメリットを知りたい人
・書道は自分の気持ちや考えを表現する芸術
・習字は正しい文字や美しい文字を書く教育
・どちらを学ぶか選ぶときは目的や興味によって判断する
大人になってから筆を持ち始め、6年で漢字師範を取得したブログ管理人ひかが解説していきます。
これから習うことを考えている方はぜひ参考にしてください
書道と習字の違い4つ
どちらも文字を書くことですが、実は色々な違いがあります。ここでは、歴史、目的、技法や表現、教育や学習の4つの違いについて説明していきます。
歴史の違い
書道は、中国から日本に伝わった文字を使って、自分の気持ちや考えを表現する芸術です。
書道は、古代から現代まで、様々な時代や流派や人物によって発展してきました。
例えば、奈良時代には、天平文化と呼ばれる華やかな文化がありました。この時代には、多くの仏教経典や国家の法令などが書かれました。これらの書物は、美しい装飾や絵画とともに、高い技術と感性を示しています。
また、平安時代には、和歌や日記などの文学作品が盛んに書かれました。これらの作品は、女性の心情や風景などを繊細に表現しています。
さらに、鎌倉時代には、武士や僧侶などが書道を学びました。これらの人々は、自分の信念や覚悟などを力強く表現しています。このように、書道は、時代や人々の変化とともに変化してきた芸術です。
習字は、日本で生まれた文字を使って、正しい文字や美しい文字を書く教育です。
習字は、江戸時代から明治時代にかけて始まりました。江戸時代には、町人や農民なども文字を読み書きする必要がありました。そこで、寺子屋と呼ばれる学校ができました。
明治時代には、西洋の文化や制度が導入され学校教育が始まりました。学校教育では、国語や算数などと一緒に習字も教えられ、先生や教科書に書かれている文字を真似して練習しました。このように、習字は、社会や教育の変化とともに始まった教育です。
書道は中国から引き継がれたもの
習字は寺子屋から始まったものなんだね
目的の違い
書道の目的は、自分の気持ちや考えを表現することです。
書道では、自分の好きな文字や言葉を選んだり、自分の好きな形や大きさや筆圧などで書いたりします。また、色紙や印章なども使って自分の作品を飾ったりします。書道では、自分の個性や感性を発揮することが大切です。例えば、「春」という文字を書く場合でも人によって書き方や印象は違います。書道では、自分の思いや想像を文字にすることができます。
習字の目的は、正しい文字や美しい文字を書くことです。
習字では、先生や教科書に書かれている文字や言葉を真似して練習します。また、筆や墨などの道具の使い方や手本の見方なども学びます。習字では、基本やルールを守ることが大切です。例えば、「春」という文字を書く場合でも、筆の持ち方や筆順やバランスなどに気をつけなければなりません。習字では、正しい文字や美しい文字を書くことができます。
技法や表現の違い
書道の技法や表現は、自由で多様です。
書道では、筆や墨だけでなく、色ペンなども使います。また、色紙や画用紙だけでなく、布や木なども使えます。さらに、文字だけでなく、絵や模様なども使い表現します。書道では、自分の好きな方法や素材やデザインを選びます。例えば、「春」という文字を書く場合でも、赤いペンでハートの形に書いたり、花柄の布に墨で書いたり、桜の絵と一緒に書いたりできます。書道ではどのように表現するか選択が幅広く、自分のオリジナルな作品を作ることができます。
一方で習字の技法や表現は、統一されています。
習字では、筆と墨と半紙を使います。また、文字は整えて書くように心掛けます。さらに、文字は楷書や行書などの決まった書体で書きます。習字では、先生や教科書で決められた方法や素材やデザインを使います。例えば、「春」という文字を書く場合、筆と墨で半紙に書きますが先生や教科書に載った字形をそのまま写すように書いていきます。お手本がありその通りに書くことで美しい文字が書けるようになるのです。
教育や学習の違い
書道の教育や学習は、どちらかというと個人的で自主的です。
書道では、自分で先生や教室を選び、書きたいことや学びたいことを決めることができます。自分で時間やペースや目標などを決め、自分の興味や好みや能力に合わせて学べます。
自分が好きな文字を書く先生に教えてもらったり、自分が好きな本や動画を見たり、自分が好きな時間や場所で練習したりできます。書道では、自分の楽しみや感性を成長させるために学ぶことができます。
習字の教育や学習は、どちらかというと集団的で指導的です。
習字では、先生や教科書に書いてあるとおりに学んで進めていきます。文字も先生や学校から与えられた教材を元に書きます。このように習字では、先生や教科書の指示に従い、きれいな文字を書けるように授業の時間を使って練習したりします。習字では、テストやコンクールで評価されることがあります。
書道のメリットデメリット
書道の、メリットとデメリットを説明します。
書道を習うメリット
書道のメリットは、以下のようなことです。
- 自分の感性や個性を発揮できる
- 心や体のバランスや集中力が向上する
- 色々な文字や言葉に触れることができる
- 多様な筆、色紙や落款などの道具を使って楽しめる
- 仲間と作品を見せ合ったり、感想を話したりできる
- 将来、公募や個展に繋がる
書道を習うデメリット
デメリットは、以下のようなことです。
- 筆や墨などの道具が高価であることが多い
- 教室やサークルに通うために時間や交通費がかかることがある
- 先生や流派によって指導方法や評価基準が異なることがある
- 作品に対する批判や否定的な意見に傷つくことがある
書道を習うことは、自分の表現力や創造力を高めたり、仲間と楽しんだりすることができますが、費用や時間、感情の面で大変なこともあります。自分の目的や興味に合わせて、書道を習うかどうか決めてみてください。
習字のメリットデメリット
習字のメリットとデメリットを説明します。
習字を習うメリット
メリットは、以下のようなことです。
- 正しい文字や美しい文字を書けるようになる
- 文字の読み書きや書き順を学べる
- 心や体のバランスや集中力が向上する
- テストやコンクールで成果を出せる
- 筆記用具や紙などの道具がシンプルで安価であることが多い
習字を習うデメリット
デメリットは、以下のようなことです。
- 自分の好きな文字や言葉を選べないことが多い
- 型やルールに従わなければならないことが多い
- 先生から厳しい指導や採点を受けることがある
- テストやコンクールでプレッシャーやストレスを感じることがある
習字を習うことは、文字の基礎や読み書きを身につけたり、心身の調和や努力の成果を得たりすることができますが、自由度や楽しさに欠けたり、精神的に辛いこともあります。自分の目標や好みに合わせて、習字を習うかどうか決めてみてください。
書道と習字どちらを習うべきか
書道と習字の違い、メリットとデメリットは理解できたと思います。では実際習い始めようと考えたとき、どちらが自分に合っていてどちらを選べばいいのでしょうか。
書道は、自分の気持ちや考えを表現する芸術です。自分の好きな方法や素材やデザインで書けます。自分で学びたいことや目標を決めて学べます。
習字は、正しい文字や美しい文字を書く教育です。先生や教科書の決めた方法や素材やデザインで書きます。先生や教科書の指示に従って学びます。
違いについて理解したけれど自分に合っているのはどっちかな
目的や興味によって変わります。次の質問に答えてみてください
文字を書くことが好きですか?
文字を書くことで何をしたいですか?
文字を書くことで何を感じたいですか?
続いて次のようなことも考えてみてください。
・書道のメリット:自分の個性や感性を発揮できる。自分のオリジナルな作品を作れる。自分の楽しみや成長のために学べる。
・書道のデメリット:自分で好きな文字の先生や教室、教材を探さなければならない。筆や墨などの道具が高価であることが多い。評価の基準がないので、モチベーションを自分で保たなければならない。
・習字のメリット:正しい文字や美しい文字を書ける。基本やルールを学ぶことができる。先生や教科書の指示に従って進むことができる。
・習字のデメリット:自分の個性や感性を発揮できない。自分のオリジナルな作品を作れない。先生や教科書の評価が基準になる。
まずは自分を知ることが大事だね
これらのことを考えた上で、書道と習字どちらが好きでどちらが向いているかよく検討してから学びましょう。それでもわからないときは次の質問に答えてください。
どちらが楽しそうですか?
楽しそうなほうを選ぶといいでしょう。
書道と習字の違いメリットデメリットのまとめ
書道と習字の違いとメリットデメリットについてお話ししました。
書道は自分の表現力や創造力を高めたり、仲間と楽しんだりすることができる芸術です。
習字は文字の基礎やマナーを身につけたり、心身の調和や努力の成果を得たりすることができる教育です。
どちらもメリットもデメリットもあります。自分に合った方を選ぶためには、自分の目的や興味や好みなどを考えることが大切です。
また、書道も習字も一度に全部覚える必要はありません。少しずつ楽しく学んでいけばいいのです。
・書道は自分の気持ちや考えを表現する芸術
・習字は正しい文字や美しい文字を書く教育
・どちらを学ぶか選ぶときは目的や興味によって判断する
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